所得税ってどうやって決まるの?所得税のキホン!
こんにちは!めぇちゃんです!
今日は働き始めて最初に関わることが多い、所得税のキホンからお話したいと思います!
今回のポイント
所得税とは?
はじめに、みなさん所得税って何?と聞かれたら、どう説明しますか?
国税庁のHPには下記のように記載があります。
所得税は、個人の所得に対してかかる税金で、1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用し税額を計算します。
ん~なんだか分かるような分からないような、、、そんな感じですかね。
ざっくり、仕事のお給料や何かを売って得たお金も含めて、1月1日から12月31日の1年間に得たお金に対してかかる税金、と理解してもらえたら大丈夫です!

え、そしたら入ってきたお金すべてに税金がかかるの?

お給料でいえば通勤費など、一部税金のかからないものもあるけど、今回は話がややこしくなるから、いったん説明は割愛するね!
ここで、ふと思うのが、「入ってきたお金にかかるのは分かったけど、それが所得っていうの?収入とは違うの?」という点です。その点から説明していきます!
所得とは?
所得とは収入からこれを得るのにかかった必要経費などを差し引いた金額のことを言います。
例えば、事業として八百屋さんをする場合、野菜の仕入れやお店の家賃などがかかってきますよね?これが「経費」に当たり、これを差し引いた額が「所得」となります!

給料の話をするとき、たまに「額面は~」という言葉を耳にすることがあるよね!
この「額面」というのが、いわゆる「収入」に当たる部分だよ!
所得の種類

収入と所得は違うんだね!所得にもいろいろ種類があるの?
会社員がもらうお給料は「給与所得」というものに当たります。会社員をしていると、この「給与所得」しかイメージがわかないかもしれません。
しかし、実際には事業で得た所得や、ものを売って得た所得など、所得には全部で10種類の所得があります!一応、以下に記載します。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得

一部、最初から税金が引かれる所得もあるけど、基本的にはどの所得も収入から必要経費を差し引いて計算するよ!

そうなんだ!てことは会社員も額面全額には税金がかかってないんだね!
でもさ、経費っていうけど、会社員をするのにも経費ってあるの?収入から引けるものなの?
この質問にもお答えしていく前に、そもそも所得の決まり方について、話していきたいと思います!
所得税の決まり方
所得税は大まかに下のようなステップで決定されます。
10種類の所得について、それぞれの金額を計算する。
STEP1の各所得を合算し、合計所得金額を計算する。

本当は一部合算しないんだけど、今回は所得税が決まるイメージをつかんでほしいので、
「とりあえずそれぞれの所得を計算して、合算して所得税を決めるんだな!」
くらいで理解してもらえたら大丈夫です!
※場合によっては所得の相殺や損失の繰越控除などを行うのですが、こちらも今回は全体イメージの理解を優先したいので説明を省きます。
合計所得金額から所得控除を差し引いて、課税される所得金額(課税所得金額)を計算する。
課税される所得金額に税率をかけ、税額控除を差し引いて申告する所得税額を計算する。
給与所得の計算

各所得の計算方法は割愛するけど、みんなが受け取る給与所得だけは、どうやって計算しているのか簡単に説明するね!
先ほどお話した通り、基本的にどの所得も収入から必要経費などを差し引いて所得を計算します。
しかし会社員をするのにかかる経費とは何でしょう?人によってはスーツを買ったり、仕事に必要なスキルのために本を買ったりなどがあると思います。
しかしそれらを個別に経費として精算すると、手続きがかなり煩雑になってしまいます。
そこで、サラリーマンにかかる経費だけは、
「これだけの収入がある人なら、だいたいこのくらい経費で使うよね!」
というのを概算で出している「給与所得控除」というものを差し引いて所得を計算しています!
収入金額 ー 必要経費 = 所得
収入金額 - 給与所得控除 = 所得

名前がややこしいけど、給与所得控除はサラリーマン版の必要経費、と考えればいいよ!
課税される所得金額の決まり方
ここまで、大まかに
- 収入と所得が違うということ。
- 所得には10種類あり、そのうちの一つが私たち会社員が受け取っている給与所得であるということ。
- それぞれの所得を計算、合算して、1年間の所得を計算すること。
を見てきました。

所得税の決まり方が少しずつ理解できて来たよ!
そしたらこれで合算した所得全額に税率をかけたものが所得税ってこと?

いや、実はこの全額に税率をかけるわけではないんだ!
さらにここから税金計算する所得を減らせる「所得控除」というものがあるんだ!
同じ控除という名前でややこしいけど、詳しく見ていこう!
所得控除とは?
所得控除とは、税金を計算するときに、所得から控除できるもの(課税されないもの)をいいます。

この所得控除が増えれば、課税される所得金額が減るため、払うべき税金が減るんだ!

そんな制度があるんだ!すごく便利だね!控除ってどんなものがあるの?
所得控除は個人の色々な事情に合わせて全部で15種類あります。一応、以下に記載します。
| 人的控除 | 物的控除 |
| ☆基礎控除 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除 障害者控除 寡婦控除 ひとり親控除 勤労学生控除 | ☆社会保険料控除 ☆生命保険料控除 地震保険料控除 小規模企業共済等掛金控除 ☆医療費控除 雑損控除 寄付金控除 |

すごいいっぱいあるんだね、、こんなに覚えられないよ、、、。

すべてを覚える必要はないよ!今回は新社会人でも該当することが多いマーカー付きの控除についてだけ説明するね!
基礎控除
まずはほとんどの人が受けることができる基礎控除です!
基礎控除は一定の所得以下であればだれでも受けることができる控除です。ただし控除額は合計所得金額によって変わります。

最近、制度改正で話題になった部分だね!
令和7年度から控除額が大きく変わったんだ!詳しくは下記の表を参照してね!
新社会人のみんなはざっくり58万円~88万円に該当することがほとんどだと思うよ!
| 合計所得金額 | 控除額(令和7年、8年) |
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超 336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超 489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超 655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超 2350万円以下 | 58万円 |
| 2350万円超 2400万円以下 | 48万円 |
| 2400万円超 2450万円以下 | 32万円 |
| 2450万円超 2500万円以下 | 16万円 |
| 2500万円超 | 適用なし |
社会保険料控除
みんなが払っている社会保険料についても控除があります!
社会保険料控除は本人、または生計を一にする配偶者、その他の親族が負担すべき社会保険料を支払った場合に適用を受けることができます。
支払った全額が所得控除されます。

会社員の場合、社会保険料は所得税と同じく最初から給料から天引きされているよね!
その部分は支払いが義務付けられているから、そこからさらに税金はかからないんだ!
生命保険料控除
生命保険料控除は、一定の生命保険料を支払っている場合のみ適用できる控除です!
一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3つに区分され、契約年によってその控除額と区分が異なります。
2012年1月1日以降に締結されたものについてはそれぞれ最大で4万円、合計で最大計12万円の控除を受けることができます。

ただし!生命保険料控除があってお得だから保険を契約するのは全くおすすめできないよ!
最大でも4万円ずつしか控除はないし、あくまで所得控除で、税額控除ではない(つまり控除額の税金が返ってくるわけではない)ので注意!
医療費控除
1年間にかかった医療費が一定以上の金額の場合、適用できるのが医療費控除です!
医療費控除は本人、または生計を一にする配偶者、その他の親族が医療費を支払った場合に、一定額を超えると適用を受けることができます。
医療費控除の控除額は下記の式で計算します。
| 医療費控除額 (上限200万円) | = | 支出した医療費 | ー | 保険金などの金額 | ー | 10万円、もしくば総所得金額の5%の少ない方の金額 |

式だけ見るとややこしそうだけど、簡単に言うと保険などから補填される金額を除いて、自己負担額が10万円を超えたら適用できるよ!
あと、この控除には少し注意点もあるんだ!
- 治療を目的としたものしか対象とはならない。予防や美容目的の場合は対象外。
- 年末調整で申請できない。

不妊治療やインプラントなども対象になることがあるから、対象になるかは詳しく調べてみてね!

でも治療を目的としたものしか対象にならないのか~。
むしろ病気にならないように健康の維持に努めているのにな~。

その場合は「セルフメディケーション税制」という医療費控除の特例があるよ!
セルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制は健康の維持・増進、及び疾病の予防を目的に一定の取り組みを行っている個人が対象です!
本人、または生計を一にする配偶者、その他の親族にかかる一定のスイッチOTC医薬品などの購入費を支払った場合、適用できます。
年中に支払った金額が12,000円を超えるとき、その超えた金額(最大88,000円)の所得控除を受けることができます。

一定の取り組みには健康診断や予防接種も対象になるよ!
ただし!セルフメディケーション税制を適用する場合は医療費控除は受けられないんだ!
併用はできないから気を付けてね!

いろんな控除があるんだね~!他の控除についても少し調べてみようかな!

うんうん!
今回はキホンとしているのですべての説明は省略したけど、気になったものがあれば自分で調べてみるといいかも!
ここまで来たら、税金計算まであと少しだ!
申告する所得税額の決まり方
ここまで
- 各所得を計算し、合算する。
- 所得控除を差し引いて課税所得金額を算出する。
というステップを見てきました。
ここまでくれば、あとは税率をかけて所得税額を計算し、最後に税額控除を差し引いて申告する所得税額を算出します!
所得税額の計算
所得税の税率は超過累進課税という方式をとっています!

名前はややこしいけど、簡単に言うと「稼げば稼ぐほど、より多くの税金がかかる方式」って感じかな!
一応、以下に速算表も載せておくね!
| 課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超 1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1800万円超 4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |

例えば課税所得金額が400万円の人の場合、
400万円 × 20% ー 427,500円 = 372,500円
これが所得税額になるんだ!
税額控除とは?
税額控除とは、先ほど計算した所得税額からさらに差し引くことができる控除です。
所得控除と違い、直接税額を控除できるので税負担への影響は大きいです!

イメージとして、
- 所得控除:「稼いだお金を少なく見せる控除」
- 税額控除:「税金自体を直接少なくする控除」
って感じかな!
同じ控除でも意味が違うから、ごっちゃにしないようにね!
また、本当は税額控除についても紹介したいところなのですが、今回は説明を省略します!
理由は新入社員で該当する人があまりいないから!です!
ただ、税額控除は大事な部分ではあるので、また別の機会にどんなものがあるのか説明したいと思います!
まとめ
今日は所得税が決まる流れをざっくりと説明してきました!
- 所得とは収入から必要経費などを差し引いたものをいいます
- 所得税の決まり方は以下の4ステップ
サラリーマンの給与所得は、経費の代わりに給与所得控除が差し引かれる。
所得には10種類あり、一部を除いて合算する。
一部の金額を差し引ける「所得控除」というものがあり、色々な事情に合わせて15種類ある。
所得税率をかけて、さらに税額控除を差し引いて、申告する所得税額を算出する。

控除などいろいろなものが合わさって、今の所得税額になっているんだね!
理解が深まったよ!

うんうん!そうだね!
ただ実はまだ一番大事な部分を説明していなんだ。
実はサラリーマンの場合は「源泉徴収」という、あらかじめ会社などが所得税を差し引いて給料を支払っているんだ!
そのためサラリーマンの所得税は基本、「年末調整」という手続きで年末に調整するだけでいいんだよ!

え!源泉徴収??年末調整??
また新しい単語だ~~!頭がパンクしそうだよ~~!

落ち着いて、落ち着いて!そしたら次回は
「サラリーマンの味方!源泉徴収と年末調整について」
を解説するね!ではまたお会いしましょう!!
