共働きの年末調整は何もしなくていい?|医療費控除だけは要注意!
こんにちは!めぇちゃんです!
共働きで年末調整の書類を前にしたとき、こんなことを思ったことはありませんか?

- 共働きだと、何か特別な手続きがいるんじゃないの?
- 生命保険料控除って、夫婦のどちらに付けた方が得なんだろう
- 今年は税制改正があるって聞いたけど、うちは何か関係ある?
我が家は共働きですが、年末調整は特に何も考えず、それぞれが自分の分を出しているだけです。
FPの勉強をした後に、再度制度を確認してみましたが、それで何も間違っていませんでした。
共働きの年末調整には、夫婦で調整できる余地がほとんどないんです。
ただし1つだけ、自分で動かないと戻ってこないものがあります。
それが医療費控除です。
年末調整では処理できないので、会社員でも確定申告が必要です。
そしてふるさと納税をしている人は、ここで動き方を間違えると大きく損します。
この記事では、共働きで考えなくていいことと、自分で動かないと損することをまとめました!
- 共働きの年末調整で「考えなくていいこと」が分かる
- 生命保険料控除を夫婦で付け替えられない理由が分かる
- 2026年分の改正のうち、共働き世帯に効くものが分かる
- 医療費控除とふるさと納税を両方やる年に、やってはいけないことが分かる
結論|年末調整はそれぞれ出すだけ、動くべきは医療費控除
まずは結論からお話しします!
- 年末調整は、夫婦それぞれが自分の分を出すだけでOK
- 配偶者控除は、お互いに収入があれば対象外
- 保険料控除は「払った人」が受けるので、夫婦で付け替えられない
- 自分で動く必要があるのは医療費控除。
- ふるさと納税をしている人は、確定申告の仕方を間違えると控除が消える
共働きの年末調整で調べると、「共働きの年末調整で損しない方法」のような記事がありますが、年末調整の範囲では調整できる余地がそもそも少ないのが実際のところです。
損をするとしたら、年末調整の中ではなく、年末調整の外側です。
なお2026年分は全員に効く改正が入っているので、そこも押さえておきます。
順番にお話しします。
共働きで「考えなくていい」こと3つ
まず、あまり考える必要がないものから整理します。
以下の3つです。順番に解説します。
- 社会保険料控除
- 配偶者控除
- 生命保険料控除
①社会保険料控除|給与天引き分は会社が処理する
1つ目は社会保険料控除です。
健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は、給与から天引きされている分は会社が把握しているので、自分で申告する必要がありません。
書類に書くのは、天引き以外で払ったものだけです。
- 国民年金保険料を自分で払った期間がある(学生納付特例の追納など)
- 家族の国民年金保険料を自分が払った
このどちらかに当てはまらなければ、何も書く欄はありません。
②配偶者控除|お互いに収入があれば対象外
2つ目は配偶者控除です。
配偶者控除は、配偶者の所得が一定以下のときに使える控除です。
令和8年分の要件はこうなっています。
- 配偶者の合計所得金額が62万円以下
(給与収入のみなら136万円以下) - 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
仮に配偶者の所得が62万円を超えても、133万円以下なら配偶者特別控除の対象になります。
逆に言うと、夫婦ともフルタイムで働いていれば、まず対象外です。
我が家も対象外です。

ちなみにこの金額、令和8年分から引き上げられています。
令和7年分は合計所得58万円以下(給与収入123万円以下)でした。
パートで働いている配偶者がいる家庭では、この引き上げで対象になるケースが出てきます。ご注意ください。
③生命保険料控除|「払った人」が受けるので選べない
3つ目が生命保険料控除です。

ここは地味に誤解されやすいところだと思います。
生命保険料控除は、保険料を実際に払った人が受けるものです。
契約者の名義ではありません。
国税庁も、所得税法第76条にもとづいて「必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません」としています。
つまり判断の軸は誰が払ったかです。
ということは、夫婦で「どちらに付けると得か」を選べるものではありません。
自分が払った保険料を、自分の分として出すだけです。

ちなみに地震保険料控除も同じ考え方です。
なお例外的に、妻名義の契約の保険料を夫が払っているような場合は、夫の控除対象にできます。
ただしこの場合、保険金の受取人が誰かという条件によって、将来受け取る保険金の課税関係(贈与税or所得税or相続税)に影響します。
こういうケースに当てはまる方は、節税だけで判断せずに税金面も確認した方がいいと思います。
2026年分の改正|何が変わったのか
ここからが今年だけの話です。
令和8年分の年末調整には改正点がいくつかありますが、全部が全員に効くわけではありません。 世帯の状況で分かれます。
| 改正点 | 改正内容 |
|---|---|
| 基礎控除の引き上げ | 合計所得金額489万円以下の場合、104万円(課税最低額178万円)。 489万円を超える場合、基礎控除の加算額は段階的に縮小される。 |
| 給与所得控除の引き上げ | 最低の控除額が65万円→74万円(課税最低額178万円)。 これが適用される給与収入の上限も190万円→220万円。 |
| 扶養親族・配偶者の 所得要件の緩和 | 扶養控除・配偶者控除の対象となる合計所得金額が58万円→62万円以下。給与収入のみの場合、123万円以下→136万円以下 |
| 特定親族特別控除 | 19歳以上23歳未満の親族の合計所得金額が62万円超123万円以下の場合、3万〜63万円の控除。給与収入のみなら197万円以下が対象。 |
| 子育て世帯の 生命保険料控除の特例 | 23歳未満の扶養親族がいる場合、一般生命保険料控除(新契約)の上限が4万円→6万円。ただし生命保険料控除全体の上限12万円は変わらず。 |
この中で、共働き世帯のほぼ全員に影響するのは基礎控除の引き上げです。
基礎控除は所得がある人ほぼ全員に適用される控除なので、世帯の形に関係なく効きます。
残りの改正は、条件に当てはまる人だけが対象です。
給与収入や配偶者の所得が一定以下、19歳以上23歳未満の子がいる、23歳未満の子がいる、といった条件です。
我が家は共働きで子どももいないので、実際に効いたのは基礎控除の引き上げだけでした。

改正で控除が増えるなら、毎月の手取りも増えてるの?

ここが今年のポイントです。増えていません。理由を次でお話しします!
なお特例加算の42万円は令和8年分と令和9年分の2年限定とされています。
恒久的な引き上げではない点は押さえておいた方がいいと思います。
今年の年末調整は12月にまとめて精算されます
ここが2026年分の一番大事なところです。
基礎控除の引き上げは令和8年12月1日に施行されます。
つまり1月から11月までの毎月の給与は、改正前の税額表で源泉徴収されています。
賞与も同じです。
そして12月の年末調整で改正後の控除を適用して1年分をまとめて計算し直します。
- 1月〜11月は、改正前の基準で多めに源泉徴収されている
- 12月の年末調整で、改正後の控除を適用して計算
- 差額が精算される
この流れになるので、今年の年末調整は還付額が例年より大きくなる人が多いと見られています。
ただし増える金額は人によってかなり違います。
合計所得の区分によって控除の増え方が違うので、「全員が大きく戻る」わけではありません。
1つ注意点があります
最後の給与の支払いが11月30日以前になる人は、年末調整では改正後の控除が適用されません。
年内に退職して、その後に給与の支払いがない場合などが該当します。
この場合は自分で確定申告をして精算する必要があります。
転職や退職をした方は、ここだけ気をつけてください。
▶サラリーマンの味方!源泉徴収と年末調整について新社会人向けに基本を解説!
私が年末調整で出しているもの|iDeCoの掛金控除
我が家で唯一、自分で用意して出している書類があります。
それがiDeCoの掛金控除の書類です。
iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除として、全額が所得控除の対象になります。

iDeCoも年末調整で手続きできるの?

出来ます!
秋ごろに届く小規模企業共済等掛金払込証明書を会社に提出すればOKです!
ちなみに私は基本的にNISAを優先しているので、iDeCoの積立額は低めにしています。
それでも掛金の全額が控除されるので、出し忘れると単純に損です。
この証明書は再発行に時間がかかるので、 届いたら年末調整の書類とまとめて置いておくのがおすすめです。
▶iDeCoとNISAはどっちが先?違いと選び方を初心者向けにFP2級が解説
年末調整ではできないこと|医療費控除
最後に、年末調整では処理できないものに触れておきます。
代表的なのが医療費控除です。
以前の記事でもお話しした通り、これは年末調整の対象外なので、会社員でも確定申告が必要です。
そしてこの医療費控除が共働きで唯一「夫婦でどちらが申告するか」を考える余地があるものです。
生計を一にする家族の医療費は合算できるので、夫婦2人分をまとめて、どちらか一方で申告できます。
どちらで申告するかによって戻る金額が変わります。

実は我が家も医療費控除は今年が初めてです。
やってみてから詳しく書きたいと思います!
今の時点でお伝えできるのは、対象になるのはその年の1月1日から12月31日までに支払った医療費だということです。
つまり年内に払った分で締まります。
12月末までに、今年いくらかかっているかを確認しておくと、申告の時期に慌てません。
▶医療費控除でいくら戻る?対象・計算方法をわかりやすく解説!
【重要】ふるさと納税をしている人は要注意です
医療費控除含め、確定申告をする際、1点重要な注意点があります。
それは確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ特例は自動的に取り消されます。

えっ、ワンストップ出してたのに消えるの?

確定申告の内容が優先されるため、無効になるんです。
しかも自分で入れ直さないと戻ってきません。
これは知らないと確実に損します!
上記に理由から、医療費控除とふるさと納税を両方やる年は、確定申告でまとめて申告するのが正解です。
我が家も今年は医療費控除をやる予定なので、ワンストップ特例の申請書と寄附金受領証明書は、両方とも保管しておくつもりです。
▶誰でも簡単!ふるさと納税について初めての人向けに基本から具体的な手続きの方法まで解説!
よくある質問
- Q. 共働きだと年末調整で損することはありますか?
-
共働きだから損するということはありません。
起きるとしたら控除の出し忘れです。
iDeCoの掛金、自分で払った国民年金保険料、生命保険料などは、証明書を出さないと年末調整に反映されません。
ただし出し忘れてもあとから取り戻せます(次の質問)。
書類が届いたら、一度並べて確認するのがおすすめです。
- Q. 年末調整を出し忘れた控除は、後から取り戻せますか?
-
確定申告をすれば反映されます。
国税庁によると、還付のための申告(還付申告)はその年の翌年1月1日から5年間提出できます。
つまり去年や数年前の分に今気づいた場合でも、まだ間に合う可能性があります。
年末調整に間に合わなかったからといって、その年の控除が消えるわけではありません。
- Q. ふるさと納税だけなら、確定申告は必要ですか?
-
ワンストップ特例を申請していれば不要です。
ただし条件があり、寄附先が5団体以内である必要があります。
6団体以上に寄附した年は特例が使えないので、確定申告が必要になります。
なおワンストップ特例を使った場合、控除は全額が翌年度の住民税から行われます。
所得税の還付として振り込まれるわけではないので、「お金が戻ってこない」と心配しなくて大丈夫です。
そして繰り返しになりますが、医療費控除などで確定申告をする年は、ワンストップ特例は無効になります。
その年は確定申告でふるさと納税もまとめて申告してください。
まとめ|共働きの年末調整は、それぞれ出せばいい
それでは最後に本日のまとめです!
- 共働きの年末調整は、夫婦それぞれが自分の分を出すだけ。調整できる余地はほとんどない
- 2026年分の改正で共働き世帯全体に効くのは、基礎控除の引き上げ
- 基礎控除の引き上げは12月1日施行。1月〜11月は改正前の基準で源泉徴収されているので、12月の年末調整でまとめて精算される
- iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除として年末調整で出せる。出し忘れても確定申告で取り戻せるが、手間が増える。
- 年末調整で出し忘れた控除は、還付申告なら翌年1月1日から5年間さかのぼって申告できる。
- 医療費控除は年末調整ではできない。確定申告が必要で、夫婦で合算してどちらか一方で申告する。
- 医療費控除で確定申告するとふるさと納税のワンストップ特例は無効になる。
年末調整の書類を前にすると、「共働きだから何か特別なことがあるんじゃないか」と不安になります。
私もそう思っていました。
でも調べてみると、年末調整の範囲でできる調整はほとんどありません。
それぞれが自分の分を出せば、それで正解です。
今年だけは改正があるので、12月の給与明細を一度しっかり見てみてください!
それでは!また!
次に読むべき記事(内部リンク)
- サラリーマンの味方!源泉徴収と年末調整について新社会人向けに基本を解説!
- 医療費控除でいくら戻る?対象・計算方法をわかりやすく解説!
- 社会保険とは?初心者向けに基本を解説!【全体像・ガイド】
- 共働き夫婦の家計はどこまで共有する?|我が家が選ばなかった2つの方法!
- iDeCoとNISAはどっちが先?違いと選び方を初心者向けにFP2級が解説
※本記事の内容は執筆時点(2026年10月)の情報をもとに作成しています。税制は変更になる場合がありますので、最新情報および自分に適用される控除額は国税庁の公式サイトでご確認ください。
※記載している控除額・所得要件は令和8年分(2026年分)のものです。基礎控除の特例加算は令和8年分・令和9年分の措置とされています。
※個別の税務判断については、所轄の税務署または税理士にご相談ください。
